top of page

28. 愛されていると言う実感

U子はバイリンガルで外資系の製薬会社に勤める46才の独身女性。


大阪在住の10歳年上バツイチ男と遠距離恋愛中だ。


何の利害かは知らないが「利害関係が一致して10年付き合っちゃった」と照れながらつぶやいた。


当初は、彼の東京出張が多く、月に2回はU子の自宅で逢瀬を重ねていた。


だが気づくと、彼の東京出張も少なくなり、最近は2~3ヵ月に1回、U子が大阪に会いに行くパターンが多くなっていた。


そんな彼氏の代わりのレンタル彼氏が今回の依頼である。


U子の希望を叶えるために、彼女のリードに任せる。


私をソファに座らせると、膝まずき「私、イチャイチャするのが好きなの」と腰に手を回した。


やわらかいバストを膝に感じる。


「よし、よし」と背中を撫でていると、急に「さあ、お風呂に入りましょう」と腰を上げた。


「切り替えが早いな」「やれやれ、どうなることやら」と思いながら、バスルームへ向かった。


U子に言われるがまま身を任せていく。


洗面台の前で、私の服を脱がせてくれる。


ひざまづいてパンツを下ろす。


完全に勃起したペニスが、U子の目の前に晒された。


「もうこんなに大きくなってる!」微笑みを浮かべながら目を逸らすことなく愛おしい眼差しを送っている。


私を椅子に座らせると、手にソープを垂らして体全身を洗い始めた。


「いつも彼にこんなことしてるんだ」と思っているとペニスに手が伸びる。


私は「うぅっ!」と思わず声を漏らす....


「それ洗ってるのと違って完全に手コキだよね」心の中でそう思いながら、「ソープのお姉ちゃんみたいですね?」と言うと「もう~」と悪戯な微笑みを浮かべて、さらにペニスをしごきながら金玉の裏に手を伸ばしサワサワし始めた。


「あぁっ!凄い!」射精感に堪えながら悶えた....


セックスは、心地よく安らげばいつまでも続けられる。


女性が本当に欲しいのは、スピード勝負の絶頂ではなく、時間はかかるが、その分大きな感動と悦びを味わえる「愛されているという実感」が伴うセックスである。


セックスとはお互いの身体(匂い・体温・質感・味・容姿・表情・反応)を感じて楽しみ合う行為だ。


人の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のうち、男性が発達しているのは〈攻め〉に役立つ視覚と聴覚。


一方、女性のそれは〈守り〉の嗅覚、味覚、そして触覚である。


女性の肌は普段から、暑い、寒い、冷たい、痛いといった外部情報を繊細にキャッチしてカラダを守り、より豊かな感受性を育てている。


通気性の悪いポリエステルより滑らかで官能的なシルクの肌触りに魅了され、好きな香りのボディローションで肌をケアする時間が楽しみだったり、水道水ではない天然温泉のやわらかな水あたりに心から癒される。


こうした感覚が心身を癒して英気を養うのは、人の皮膚が脳に直結されているからだ。


「皮脳同根」


皮膚(肌)は脳と同じ根を持つという意味。


皮膚は第2の脳、第3の脳と言われる由縁であり精神と深い関係にあるという。


肌というセンサーがセックスでもテクニック以上に愛と官能へと女性を導く確かなスイッチになる。


お互いのカラダを愛撫し、肌のあたたかみを交わし合って感度を高めることで、癒しと興奮が得られるのだ。


風呂から出ると、次の日に帰るまでパンツを履くことは許されなかった。


トイレとお風呂、飲み物や食べ物を用意するとき以外は、ずっと肌を触れ合わせていた。


全裸で過ごす週末。


裸で抱き合い、見つめあい、撫であい、五感で相手を感じとる。


感覚を研ぎ澄ませて、欲しいという快感を増幅させると、どうしようもないほどの愛しさが込み上げて来る。


そうやって抱き合っていると、U子は体全身を痙攣させ1回目の絶頂を迎えた。


わざわざ興奮するための材料を使ってイカせる必要はない。


セックスでは心通う肌の触れ合いを十分にすれば、官能的な絶頂に登り詰める可能性は高い。


愛しい誰かの肌に触れ、自分と同じ生きた生命体だと深く感じること以外に、性行為でやるべきことは何もない。


カラダ中のすべてが自然に動き始めるからだ。


お互いの性器を刺激しなかったわけではないが、U子は、抱き合ってキスしながらイク、どこに触れてもイク、何度でもイッた。


与えられた刺激でイクのではなく、U子の内側から込み上げて来る感情で自然にイクのだ。


溜まった快感の泉が溢れ出すように。


お互いのカラダの境界線がわからなくなるまで溶け合い、脳が同化していく。


時空を超え、時を忘れて、ずっとお互いの息遣いを感じとっていた。


次の日の朝、別れを惜しんで抱き合っているとそれだけで絶頂を迎えた。


「最初からこんなになるって凄いね」というと、「こんなの初めてよ、だって彼は、あまりイチャイチャしない人だから....」と答えた。


実はU子は彼とは出来ない真逆のことをやりたかったのだ。


bottom of page